さと45の解雇録

解雇通知を受けたら、まずは解雇理由証明書を請求しよう!その2

前の記事では解雇理由証明書を請求しようという記事を書きました。
会社から証明書が発行されたら、あるいは発行してくれなかったらどうしたらいいのか、
さと45の経験とわかったことを書き連ねます。

解雇通知を受けたら、まずは解雇理由証明書を請求しよう!解雇を受けて理由がはっきりしないなと感じたら、解雇理由証明書を請求しよう!コツはメールや書面、形に残る形式で請求すること!...

改めて解雇理由証明書とは

改めて解雇理由証明書は労働基準法でも保証された、労働者の権利です。
解雇理由証明書を請求されたら、企業は遅滞なくこれを提出しないといけません。
「遅滞なく」という言葉は幅を持たせた表現となっていますが、
1週間程度には用意できるはずの書類です。
企業これを提出しない場合は罰則があります。

普通の会社なら「労働者は解雇の理由に不満を抱いている?」と気づく

労務管理がしっかりしている会社はまず簡単に労働者を解雇したりはしないです。
また労働者から解雇理由証明書の請求を受けたら、普通の会社なら何かを察します。

この労働者、解雇に不満を持ってるな

会社の一方的な不当解雇だとか言い出しかねない!?


解雇理由証明書の請求を受けた時点で、まともな会社なら、
労働者が法的な措置を取ってくるの可能性があるのでは?と警戒します。
簡単に言うと「労働者が会社を訴えてくるのでは?」と警戒します。

そうなると、普通は会社も警戒して、仮に訴えられたとして不利にならないように発言や応対に気を遣うものです。

まれに「解雇理由証明書?なにそれ美味しいの?」の会社もある

警戒してくる会社ならまだまともな方ですが、
小規模企業、ワンマン企業、家族経営などの場合、「いままでこれで問題なかった」という前例が基準となっている場合があります。
解雇理由証明書の請求されること自体が初めてであり、

理由を証明しろなんて失礼だろ!!

とかトンチンカンなことを言ってくる場合もあります。
怒鳴られたり問い詰められたりしたら恐怖を感じると思いますが、
全く失礼なことではありません。

期日通り提出いただけないなら、労働基準監督署に相談に行きますね?
では提出をお待ちしています。

上のように答えて、しれっとしていればOKです。

請求に対して会社がどんなリアクションをしてきてもそれはそれでOK!

さて、請求した解雇理由証明書はどうなったでしょうか?
ちゃんと発行されれば一番スムーズですが、
発行されなかった場合でも問題ありません。
ただ第三者に説明できるように、メールや書面などやり取りを記録できるようにするのがいいでしょう。

解雇理由証明書がちゃんと発行された!

請求通り、解雇理由証明書が発行されたとすれば一番スムーズです。
まだ話が理解できるまともな企業だったと一安心すればOKです。

発行された!けど変な書式で……

さと45の場合になりますが

解雇理由証明書のフォーマットが分からないんだけど!?

この証明書一体何に使うつもりなんだ!?

何に使うかによって書き方が変わってくるだろーが!

とおおわらわとなっていました。

さと45

「社長のお気に入りの便箋で綴った、今後の社会人としての身の振り方メッセージ」みたいな書類で仕上げてくるつもりですか?
そんなの要るわけないじゃないですか。
解雇理由証明書を何に使うかは御社には関係ありません。
分からなければ専門家に相談されてください。


結局普通の形式の書面で解雇理由証明書は届きましたが、
ヘンテコな書式で届いてもそれはそれで交渉材料となりますので、
取っておくのがいいと思います。

発行された!けどすごい時間が掛かったのですが

解雇理由証明書請求したけどとても時間が掛かっているという場合は、会社側が専門家に相談などしている場合があります。その場合は、下記の内容をメールや書面など、形に残る形式で伝えるのがいいでしょう。

  1. 期日が過ぎていることをで指摘する。(請求時の内容などを併せて提示するのも◯)
  2. 改めて期日を設定する。(あるいは会社側に設定させる)
  3. 期日までに提出いただけない場合は労働基準監督署に相談に行きます。

発行されたのなら結果オーライですが、
「解雇理由証明を遅滞なく発行する義務」を疎かにした会社である
という証拠は残しておくと交渉に有利かもしれません。

解雇理由証明書が発行されない!

一方いくら待っても解雇理由証明書を発行してくれない会社はかなり悪質ですので、
がっちり証拠を残していきましょう。

証明書を出し渋っていて提出期限の延長をしまくる

「労務担当者が突然長期入院して……」
「顧問弁護士に書面作りを依頼しているため……」などなど、
ありえない理由をつけて解雇理由証明書を出し渋る場合もあります。
その時はその理由を書面にするよう依頼しましょう。
口頭で言ってきてもそれでわかったことにしないほうが得策です。
結局「言った」「言わない」「ニュアンスが違う」「そういう意味じゃない」といった不毛なやりとりに発展します。
遅延するならその理由と、提出の具体的な日付も会社側に書かせましょう。

  1. 期日が過ぎている理由を書面で提出お願いします。
  2. 改めて期日を設定する。(あるいは会社側に設定させる)
  3. 期日までに提出いただけない場合は労働基準監督署に相談に行きます。

何を言っても書いても完全に無視される場合

気分が悪いとは思いますが、解雇理由証明書の請求は真っ当なものなので、
淡々と書面で請求を行いましょう。
自分の声を無視されても傷つかなくてOKです。
会社側が自らまともな企業でない証拠を量産してくれていますので、
余裕を持った落ち着いた心持ちで対応してくださいね。

リアクションがあってもなくても、証拠にはなる

会社からまともなレスポンス、そうではないレスポンスがあったとしても、
落ち込む必要はありません。
ただ第三者の意見を求めるのに必要になりますので、
必ずメールや書面など形に残る形式でやり取りをしましょう。
内容についてはいちいちまともに受け取らなくても大丈夫です。

解雇理由証明書が手に入ったら、理由をちゃんと振り返る

解雇理由証明書の請求がかなって手に入ったなら、文面を読みましょう。
まれに、解雇理由を尋ねているのに、
人格否定の誹謗中傷、明らかな嘘、単なる不満を書き連ねた書類を出してくるような
普通ではない会社もあります。

その場合はまともに読み込む必要はないと思いますのでスルーして、
第三者に意見を求めるのが良いかと思います。

自分に非があると思うかどうか、冷静に点検してみよう

まともな解雇理由証明書が帰ってきた前提となりますが、
内容を読み込んでみてどうでしょうか。
腑に落ちる部分がありますか?ないですか?

YESなら、おとなしく次の道へ

もし完全に会社の言い分が完全に正しい、言い返す余地がない、
解雇に納得できるということでしたら、
変に会社と対立したりせずにそのまま会社を去ればいいだけです。

この解雇理由証明書を請求したことで次の転職に不利になることはありません。
「あいつは解雇理由証明書を請求するような不届なやつだ」とかいう悪評も流れません。

やりとりした弁護士さんが言うには

弁護士

解雇理由証明書の内容が長いほど、こちらとしては戦いやすいですね。
交渉するにも裁判するにも、ツッコミどころを見つけやすいので。
逆に簡潔に書かれた証明書を出されたら戦いにくいです。
明確で強い理由になるので、ひっくり返すのに苦労します。

NOなら、どんな選択肢があるのか

解雇理由に納得できましたか?
おそらくある程度の事実は盛り込まれているでしょう。
例えばミスをしてしまった、遅刻欠勤してしまったなどなど。
謙虚な人は反省する部分もあるでしょう。
自分に厳しい人ほど解雇の理由に納得してしまいやすいかもしれません。

しかし解雇をされるほど、度が過ぎたものでしたか?
有効な解雇をするためには下記のような条件があります。

「解雇は、客観的に合理的な理由を欠き、社会通念上相当であると認められない場合は、その権利を濫用したものとして、無効とする。」

労働契約法 第16条

あなたの解雇理由は「客観的に合理的な理由があり、社会通念条相当な度合いのもの」でしたか?

もしそれが自分で判断できなければ、第三者にみてもらいましょう。
身内に尋ねては甘い判断をしてしまうかもしれないので、
弁護士にその解雇理由証明書を持って行きましょう。
無料で相談を設けている弁護士がほとんどですので、
まずは距離の近い事務所に相談に行ってみましょう。

解雇に不満がある。では、その後の流れを考えてみよう

解雇に不満がある。解雇理由証明書を発行されたけど納得はできない。
そんな時どうしたらいいのか。
私は次のような手段を検討しました。

会社に自分で交渉してみる

「解雇理由に納得が行かない。解雇を撤回し、解雇の明確な判断基準を提示して、試用期間を延長して欲しい。それでダメなら解雇を受け入れる」
「解雇理由に納得が行かない。弁護士に確認したところ解雇理由としては客観的で合理的とは言い難い。慰謝料として●●円を請求します。」
などなど、自分の望む結果に向けて交渉することもできます。
ただし会社側に応じる義務は特にないため、まともに相手にしてくれる可能性は低そうです。また口約束だけで履行されないこともままあります。

弁護士を雇って交渉してみる

会社に自分で交渉してみるのが一番穏便にすみそうな気配がしますが、
一番成功率が低そうです。弁護士に相談してみたところこんな話が聞けました。

企業側弁護士

正直申しまして労働者側が企業に何か交渉を持ちかけてきても、企業が相手をすることはありません。
労働者側も弁護士をつけてきて公的な書類などを請求してきた時初めて
会社に交渉のテーブルにつくよう弁護士側からも言います。

企業側弁護士

たとえ労働者が会社との穏便な和解を求めたとしても、最初からそれを要求しても通ることはありません。最初に過大な要求をしてから、折り合いをつけるように要求を削っていき、最終的な和解の形に持っていきます。
労働者一人の交渉では言いくるめられて終わるでしょう。

企業側弁護士

まあ所詮弁護士なんて、お金ひっぱってくることしかできませんからね。
そのための交渉術に一般の人より長けているというだけです。

「会社からお金をむしり取りたいんじゃない、納得したいだけなんだ」
という労働者の思いがあるのは理解できるのですが、
その優しい気持ちだけではもしかしたら何も得るものがないかもしれません。

弁護士をつけることで、法律的に間違いのない指摘、交渉ができ、
効力をもった約束事などができます。
費用は嵩みますが、ちゃんと会社側とやり合うためには必要な出費になるかと思います。

社労士を雇って交渉してみる

一方、面白い選択肢がありましたのでご紹介します。
「会社と腹を割って話したいだけなんだ。お金なんか別にいらない!」
「解雇には納得できないけどこれ以上居たくないしもう辞めるわ。でも、言いたいことを一度も言えないのは腹立たしい!」

そんなモヤモヤがきっとあると思います。
「会社に話し合いさせろ!」といっても応じてくれる会社は少数でしょう。
でもそんな労働者の気持ちに寄り添ってくれるサービスを見つけました。

https://youtu.be/gIkCjet4DAU

このサービスを展開しているのが労働相談 須田黒田事務所です。
お二人は社労士(社会保険労務士)で、労働に関する法律のエキスパートです。
各種面談への同席のほか、労基署・労働局への同伴、労災申請などのサポートといったサービスを展開しています。
弁護士をつけると争いになることを会社も警戒をしますが、
社労士は裁判官でも弁護士でもないので、そういう意味では会社の警戒はやや薄れます。
同時に労働関係法律の専門家であるという点では、労働者にも会社にも公平に信頼を寄せることのできる資格です。
社労士がいるだけで利害のない中立の立場で話し合える環境になるかと思います。

料金も弁護士に依頼するよりも断然リーズナブルです。
法律のわかる第三者に話を聞いてもらいたい、でも弁護士はハードルが高い。
そんな人におすすめしたい、事務所です。

司法に訴えるー労働審判

労働審判というものがあります。
これは労働問題を早期に解決するための司法制度で、
通常の裁判よりもスピーディーに解決をすることが目的とされています。
裁判官がつき、労働者と会社が一同に介して最大3回の話し合いの末、
今後の方針について決めていくものです。
概ね会社側が解決金を支払うことでの和解にまとまることが多いですが、
双方納得が行かなければ正式に裁判の手続きに入ることもできます。

動画内では申立人と相手方と双方が弁護士をつけて話し合いをしていましたが、
弁護士をつけずに労働者一人でも申し立ての手続きをすることができます。
意外なことに手続きのためにかかる費用は約1.5万円です。

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